PTS(私設取引所)とは?
PTS(私設取引所)では、東証などの公設取引所とは別に、証券会社が手作りの市場を自社システムで処理をします。
PTSは、大規模な金融制度改革、「金融ビッグバン」の下に、証券会社を仲介して取引所へ発注を行う通常の株取引以外の方法を考えられて作られました。
現在ではSBI証券のグループ会社のSBIジャパンネクスト証券の「ジャパンネクストPTS」と、チャイエックス・ジャパンが運営するPTS市場「チャイエックス」であります。
ジャパンネクストPTSでは、夕方以降に取引が開始される海外市場を見て日本株を取引できるなどメリットが多いです。
チャィエックスは、上級者向けで敷居が高いアメリカ系のインタラクティブ・ブローカーズ証券で口座を作れば取引可能です。
●PTS(私設取引所)のメリット・デメリット
■メリット
・夕方のニュースに対応できる
・海外の市場動向に対応できる
■デメリット
・参加している証券会社が少なく他の証券会社からは取引不可
・PTSの売買代金は株の3%でボリュームが少ない
(年々増えているので、今後の代替市場としての役割に期待したいところです。)
進化し続ける取引所
世界中のグローバル化によって、世界中の取引所が合併して、インターネット店舗のアマゾンのように大きくなっています。
日本では、東証と大証が経営統合(東証が、大証の株式部門を吸収)して、日本取引所グループが発足しました。
そして、東証が有する次世代システムarrowhead(アローヘッド)へ統合され、マーケットが拡大しました。
●arrowhead(アローヘッド)とは?
・発注から約定完了までが高速!(2秒から、マイクロ秒(100万の1秒))
・自動売買の負荷にも耐えられる
証券会社は顧客が取引した金額に対して「場口銭」と呼ばれる手数料を取引所へ支払っています。
ですから、取引所は魅力ある市場を提供し、投資家を呼び込む必要があります。
故に、東証では、次世代システムarrowhead(アローヘッド)で、マーケットの拡大狙っているのです。
arrowhead(アローヘッド)により、これまで欧米に比べて処理が遅かった東証のシステムへ自己の売買システムを接続するのを懸念していた外資の機関投資家の参入も増えるでしょう。
■世界の取引所のグローバル対応は?
2012年7月、ロンドン金属取引所を香港取引所が買収しました。
2012年12月には、アメリカにて、インターコンチネンタル取引所によるNYSEユーロネクストの買収がありました。
一部と二部がある東証
一般的な株の売買は、東証一部は大企業、マザーズは新興企業という大まかな内容の東証を通じて行われます。
東証に新しく上場したい場合は、一部へ行く前に二部で申請を行うのが普通です。
それから東証一部を目指します。(指定替え)
なぜなら、上場審査基準が二部の方が低いからです。
東証一部と二部の差は、時価総額や従業員数など、会社の規模の差と言えましょう。
東証マザーズは、新しい事業に挑戦する企業(ベンチャー企業)を応援するために用意された市場です。
東証マザーズでは、起業して間もないベンチャー企業も短期間で上場できますが、それは、上場審査がやさしいからです。
近年では、以下のような経営の透明性が図られています。
・リスク惰撒の適時開示
・内部管理体制の厳格化
・会社説明会は年2回以上とする
取引所は、戦後一度も、休館せずに営業してきました。
それは、、証券取引そのものを継続させ資本主義経済の基礎を担っているからです。
そのためには、上場企業の透明性を開示し、新しい会社もしっかり管理して上場させる責任があるからです。
圧倒的なシェアを持つ外国人投資家
東京証券取列所の売買シェアの5割以上は外国人投資家です。
そして、個人投資家は外国人に次いで多く3割の売買シェアがあります。
個人投資家は、少ない売買制約、自由な取引時間、安い税金と取引手数料で有利な立場にあります。
そして、残り2割ほどのシェアが、銀行、保険会社、証券会社、ヘッジファンド、年金基金などの企業形態の機関投資家です。
■各投資家の特徴
●国内機関投資家の特徴
・銀行・保険・投資信託
安定した優良企業で長期投資を目指す。
・証券会社(自己売買部門)
短期的に相場をとらえて大きな流動性を生む。
●外国人投資家の特徴
・銀行・保険・投資信託
グローバル投資一環で日本の優良企業に投資
・証券会社・ヘッジファンド
大きな資金で相場を一方向へ動かす。
●個人投資家の特徴
安値を狙う逆張り投資が多い。
決算期などの制約がなく自由な投資が可能。
特に外国人投資家の動向は、市場シェアが高いので注目されています。
株式市場の役割
株式市場には、以下の2つの市場があります。
①「流通市場」
②「発行市場」
①「流通市場」について、
流通市場とは、投資家の間で株が転々と流通される場のことで、取引所を利用して、株は投資家から投資家へ渡ります。。
②「発行市場」について、
「発行市場」とは、例えば、新規公開株(IPO)のように取引所を利用せずに投資家へ株が渡る場のことです。
IPOとは、上場する会社からの依頼を受けて、新規の株を公開することですが、上場初日の朝、の買い需要を狙う投資法個人投資家に人気が高く、ほとんどが抽選になります。
上場初日の朝の取引開始直後に売却すると儲かる手法です。
さて、世界の証券取引所ランキング3位の東京証券取引所(東証)を含め、日本には株の取引所が4つあります。
ちなみに、1位は、ニューヨーク証券取引所、2位はNASDAQです。
東京証券取引所はアジア最大規模という非常に大きなマーケットを有しています。
日本では株取引の9割以上が東京証券取引所となりますが、ベンチャー向けの新興市場も用意されている証券取引所が東京以外に、名古屋、福岡、札幌にあります。
地元密着型で将来有望な会社も多数上場しています。
例えば、東京以外に、名古屋にも上場しているのがトヨタ自動車です。
それは、名古屋が、トヨタ自動車の発祥の地だからです。